片づけの合間に思い出す、自分の「好き」

エッセイ

書斎のある生活──思い出と暮らす場所

こんにちは、ばっきん父さんです。
今日は、自分の書斎を掃除していました。

寅さんじゃないけど、掃除を始めたとたんに「休憩はまだか?」となるのが私。
手が勝手に本棚に伸び、「めぞん一刻」や「柔道部物語」なんかを手に取ったら、もう一貫の終わり。
うん、絶対読んでしまうんです。そういうものですよね。

リビングに置いていた私の仕事関係の本は、妻によってダンボールに封印され、
雑貨も整理されていないまま、部屋の片隅に追いやられていました。
育児で毎日追われる中で、リビング以外の片づけなんて後回し。
だけど、少しは整えなさい。そう妻に言われ掃除を始めました。


ミニマムな時代に「好き」を探す

確かに今は、サブスクの時代。
物を持たない生き方、デジタルで完結する暮らしが推奨されています。
スマホのスクリーンショットは増える一方で、何を保存したかったのかも思い出せない。ミニマリストに納得。

そんなことを考えていたら、帰り道に図書館で見かけた雑誌のことをふと思い出しました。
Number(Sports Graphic)では「4番サード長嶋」の特集。
芸術新潮では「松本の大宇宙と幻想美女」。
気になっていたのに、結局読んでいない。

そして夜な夜な、アマプラで刺激の強いアニメや番組ばかり観てしまう──
本当に、自分の「好き」って、何だったっけ?


「ねえ、進んでる?」

ふと背後から妻の声。
振り返ると、ゴミ袋を持って仁王立ちの彼女がいた。

妻は収納と片づけの達人。
使っていないもの、古いもの、無駄なもの──見逃さない。
気づけば、私の大切な本や漫画、CDまでもが「不要品」の対象に。

やばい、下手したら俺まで断捨離されるかもしれない(T_T)
あぶなく思い出まで手放すところでした。


父の竜馬がゆく、チビたちの未来

掃除は途中だけど、今日はこのへんで。
夜、寝かしつけが終わったら、この部屋に戻ってこよう。

慌ただしい毎日でも、自分の好きなものに囲まれて過ごす時間があれば、
ほんの少し心が落ち着きます。

チビたちがもう少し大きくなったら、この部屋の中から何か気になる本を手に取ってくれたら嬉しいな。
ハードカバーでボロボロになった「竜馬がゆく」全巻──
これ、私が実家から勝手に持ってきた父の本です。

「好きなものに囲まれて生きる」ことは、今この時代だからこそ、大切にしたい価値なのかもしれません。

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