導入|寒くないのに、なぜ断熱を考えたのか?
こんにちは、ばっきんパパです。
我が家は、築30年ほどの中古戸建てです。
正直に言うと、今、そこまで「寒くて困っている」わけではありません。
冬は石油ファンヒーターを使えば、リビングは普通に暖かいですし、暖かいスリッパを履いていれば、足元の冷えもそこまで気になりません。
広さ、耐震性、日当たり。
このあたりには、購入した今でもかなり満足しています。
それでも、ある時ふと、
「そういえば、断熱のことって、ちゃんと考えたことがなかったな」
と思うようになりました。
きっかけの一つは、以前、仕事で補助金を扱っていた時の経験です。
ZEH住宅、エネファーム、そして断熱リフォームの補助金。
CO₂削減に対する国の本気度や、そこに投じられる予算を、現場レベルで感じていました。
「もしかして、今の家、暖房で温めているけれど…せっかくの暖かい空気、結構外に逃げているのかも?」
そんな、ふとした「燃費」への疑問が、断熱を考え始めた出発点でした。
マンション・ホテルとの「体感差」
もう一つ、強く印象に残っている体験があります。
以前、妻の妊娠中に事情があり、私が一週間ほどホテルで療養生活を送った時のことです。
驚いたのは、暖房をほとんど入れなくても、部屋がずっと暖かいことでした。
マンションやホテル特有の、「空気が外に逃げない感じ」。
まるで魔法瓶の中にいるような感覚です。
一方で、我が家の戸建てはどうかというと、ファンヒーターですぐに暖まるけれど、消すと冷めるのも早い。
ヒーターを止めると、「あ、空気が入れ替わったな」と肌で分かるんです。
これは、沢山暖房を焚いているから暖かいだけなのか。
それとも、構造上の「性能」の違いなのか。
この強烈な体感差が、断熱への関心を一段深めました。
築30年戸建てのリアルな断熱性能
築30年の戸建て。
冷静に見てみると、断熱性能はやはり今の基準とは違います。
• 一枚ガラスの大きな掃き出し窓
• ベランダに出るためのサッシが多い
• 隙間風は入らないが、熱は窓から逃げていそう
今の新築と比べれば、性能が低いのは事実です。
ただし、ここで大事なのは、
「古い=住めない」ではない
ということ。
最初は、「こんな大きなガラス窓、そもそもリフォームできるの?」と思っていましたが、調べてみると、意外と現実的な選択肢がたくさんありました。
断熱は「全部やらなくていい」と知った
断熱リフォームというと、壁・床・天井を剥がして、全部やり替える大掛かりなイメージがありませんか?
確かに、それをやれば効果は絶大です。
でも、コストも数百万円単位になり、現実的ではありません。
色々調べていく中で、
• 熱の半分以上は「窓」から逃げている
• だから、窓まわりをやるだけで効果が分かりやすい
• 「内窓」なら、部分的に安く対応ができる
ということが分かってきました。
100点満点を目指すと、コスパは悪くなります。
ここは、住宅も投資も同じですね。
「効果の大きいところだけ、ピンポイントでやる」のが正解のようです。
我が家で検討している、現実的な選択肢
現時点で、我が家が考えているのは、とても現実的な内容です。
• リビングの掃き出し窓への「内窓」設置
• 出窓などの複雑な窓は、コスト高なので無理にやらない
• まずはカーテンで対応(断熱カーテン、ハニカムスクリーン)
結論として、まだ工事はしません。
まずは調べて、理解して、予算感を知る。
そして「いつでも動ける状態」にしておく。
いわば、今は断熱の「仕込み期間」です。
相見積もりは必要?|賢く使い分ける
もし将来、断熱をやるとして、悩むのが業者選びです。
結論から言うと、
• 相見積もりは取った方がいい
• でも「全部まとめて」取る必要はない
と考えています。
例えば、
• 内窓・窓まわり → 窓専門・補助金に強い業者
• 将来のリフォーム(子ども部屋、クロス張替え) → リフォーム会社
このように、頼み先は分けてもいいんです。
自分の必要な範囲だけ、専門性が高いところにお願いする。これがコストを抑えるコツだと考えています。
そして、断熱のため、リフォームを決めると、次に悩むのが「どこまでやるか」です。
・内窓だけでいいのか
・壁や天井までやるべきか
・そもそも今やる必要があるのか
実はここ、一社の意見だけで決めるのが一番危険だと感じました。
▼私が「断熱やリフォームの判断」で一番大事だと思ったこと

断熱で下がるのは「光熱費」だけじゃない
断熱の効果として、よく言われるのは「光熱費の削減」です。
でも、調べていく中で、もっと大きいと感じたメリットが「精神的コスト」の削減でした。
• 「寒いな」と感じるプチストレス
• 「今月の灯油代、電気代いくらだろう」という不安
• お風呂場や子ども部屋の温度差への心配
これらは、家計簿の数字には出ません。
でも、確実に毎日の「生活の質(QOL)」に影響します。
断熱は、単なる節約ではなく、「家族の機嫌と気持ちを安定させる投資」なのかもしれません。
今すぐやらない理由
ここまで調べましたが、それでも私が「今すぐ」断熱工事をしない理由は、はっきりしています。
• まだ生活に支障が出るほど「困っている」状態ではない
• 5年後くらいに、子ども部屋の改修やクロス張替えと一緒に考えたい
• その時のために、予算をしっかり作っておきたい
情報は集めましたが、焦って飛びつく必要はありません。
「急がない」という選択も、十分に合理的な判断です。
まとめ|中古戸建ての断熱は「考え始める」で正解
築30年の中古戸建てで断熱を考えてみて、行き着いた答え。
• 我慢できる寒さなら、焦らなくていい
• でも、調べるだけでも、確実に価値がある
• 住みながら、自分たちのペースで最適解を探せばいい
断熱は、「今すぐやる or やらない」の二択ではありません。
「まずは知っておく」
これだけで、冬の過ごし方や、将来の家計管理の視点が変わります。
これもまた、中古戸建てと長く、賢くつきあっていくための、
一つの「現実的な知恵」だと思っています。
▼「断熱リフォームといえば気になるのが『補助金』ですよね。かなりお得な制度ですが、あえて私が『今は使わない』と決めた理由について、本音で書きました。」

