中古住宅を購入するとき、「戸建てにするか?」「マンションにするか?」は、多くの人にとって避けて通れない分岐点。
私自身は、築30年の中古戸建てを購入しました。この記事では、**なぜマンションではなく戸建てを選んだのか?**を、「住み心地」と「資産価値」の両面から、なるべく客観的に、でも生活者としての実感を込めて書いてみたいと思います。
◆ そもそも、戸建てとマンション、どっちが合う?
これは、正直に言って「好み」です。
- 実家が戸建てだったから、なんとなく落ち着く
- 隣や上下階の生活音が気になるから、防音の点で安心な戸建てがいい
- マンションの方が掃除や手入れが楽そう
- マンションは冬でも暖かいっていうし…
そういった“暮らしの感覚”が大切です。私は「音のストレスが少ない」「土地ごと所有できる」ことを重視して戸建てを選びました。
ただ、そうした「暮らしやすさ」に加えて、もう一つ大きな判断材料があります。それが──
◆ 不動産の価格はどう決まるのか?
不動産価格には、ある程度の“ルール”があります。これを知ることで、住む場所の選び方だけでなく、「買い方」も変わってきます。
◆ 中古戸建てと中古マンション、価格の決まり方と違い
私が築30年の中古戸建てを選んだ大きな理由は、建物の価値がほとんどゼロと見なされていたことでした。
つまり、「土地代だけで家がついてきた」のです。
● 乱暴に言うと、中古戸建ては「土地代+おまけの建物」
中古の戸建ては、築20年を超えると、建物の評価はほとんどゼロに近づきます。固定資産税の評価額もかなり低くなり、売買価格にもその影響が出ます。
私が購入した戸建ては築30年。建物部分の価格は破格の評価、価格の大半は「土地代」でした。でも、実際はしっかり使える状態で、少し手を入れれば快適に住める家。
「だったらお得じゃない?我が家でも手が届く!」
そう思って購入しました。
この考え方は、資産として見るうえでも、住まいとして選ぶうえでも、ひとつの正解になると感じています。
● 中古マンションは「築古でも値が残る」
一方、マンションは築20年を過ぎても、一定の価格帯を維持していることが多いです。理由はさまざまですが、主に以下のような点が関係しています。
- 駅近などの好立地
- ブランド力(大手デベロッパー物件など)
- 管理状況の良さ(修繕積立金がしっかり使われている)
- 建物構造がRC(鉄筋コンクリート)で法定耐用年数が47年と長い
このため、築30年近いマンションでも、まだ「建物としての価値」が市場で評価されやすいという特徴があります。
◆ 個人の目線で見ると…中古戸建ては“割安”に買える可能性大
この2つを比較して見えてくるのは、以下のポイントです。
- 戸建ては築年数による価格下落が大きく、割安で買えるチャンスが多い
- マンションは価格の下落が緩やかで、安定性や管理面での安心感がある
どちらが良い悪いではなく、**「自分がどこを重視するか」**で選び方が変わってきます。
私自身は、「築古戸建てでも、建物が使えるなら、土地付きで安く手に入るのはチャンス」と考えました。特に自分でリフォームをしたい人や、家族で音に気を使う生活を避けたい人にとっては、戸建ては大きなメリットです。
◆ 中古マンションの価格の決まり方(基礎)
中古マンションの価格は、主に以下の3つの要素で決まります。
- 立地(駅からの距離・生活利便性)
- 建物の状態・築年数
- 管理状況・ブランド力
たとえ築年数が経過していても、「立地」と「管理状況」が良ければ、それなりの価格で売買されることが多いのがマンションの特徴です。
中古戸建てとは対照的に、「建物+サービス(管理)込みの価格」として評価されていると言えます。
◆ まとめ:どちらにも良さがある。だからこそ「価格の落ち方」に注目
最終的には、住みたい場所、暮らし方、そして資金計画によって選び方は変わってきます。
ただ、今回お伝えしたかったのは、中古戸建ては“建物がゼロ円評価になるタイミング”が狙い目だということ。
これは、中古マンションにはない独特のタイミングです。
資産として見たときにも、減価償却を終えた築古戸建ての購入は、長期的に見れば非常に効率の良い買い方にもなります。