はじめに:「これ、お金が減ることはないのよね?」
明けましておめでとうございます。
中古戸建てと家計管理の話を書いている、ばっきんパパです。
今年一発目は、少し踏み込んだお金の話を書いてみます。
ある日、妻からそう念を押されました。
しばらく使う予定のない、妻の「へそくり」の運用相談です。
正直に言うと、投資の世界において「絶対」はありません。
「元本保証」と「投資」は、本質的に相性があまり良くないからです。
それでも今回は、「もし万が一のことがあったら、私が全額補填する」という(私個人との)約束のもと、米国債を選びました。
インデックス投資はすでに実践している。
でも、それ以外の選択肢はないかどこかで考えていた時期でもありました。
ほったらかし投資術は「正しい」
まず最初に書いておきます。
故・山崎元さんの著書『ほったらかし投資術』は、今でも投資初心者にとっての最適解に近い本だと思っています。
• 余計なことをしない
• 現金とインデックス投資(全世界株式)でシンプルに
• 仕組みが複雑な商品には近づかない
• 現金で置いておくのがもったいないお金は、日本国債(変動10年)
これは、今でも揺るがない「正攻法」です。
ただ――インデックス投資を数年続けると、多くの人がこう思い始めます。
「これ以外に、何かやれることはないだろうか?」
現代ポートフォリオ理論(MPT)における「債券」の役割
裕福な資産家のポートフォリオを見ると、株式100%というケースは意外と少ないものです。
その背景にあるのが「現代ポートフォリオ理論(MPT)」です。
ざっくり言うと、役割分担はこうです。
• 株式: 資産を大きく増やす「攻め」
• 債券: 値動きを抑える「守り」(リスクヘッジ)
特に、
• 家族の将来のためのお金
• 数年以内に使い道が決まっているお金
• 精神的に、絶対に減らしたくないお金
こうした資金には、「増やす」よりも「守る」視点が重要になります。
米国債を実際に買ってみてわかったこと
今回は、仮に「100万円分の米国債(利回り年4%・固定・利付債)」を買ったケースでシミュレーションしてみます。
利息の受け取りイメージはこんな感じです。
• 年利 4%: 年間 4万円(税引前)
• 年2回の利払い: 1回あたり約 2万円
生債券には、利息がゼロの代わりに安く買える「ストリップス債」と、定期的にお金が振り込まれる「利付債」がありますが、私は後者を選びました。
妻のへそくり額は伏せますが(笑)、年2回、チャリンと口座にお金が入る。これは数字以上の「持っている安心感」と「ちょっとしたお小遣い感」を与えてくれます。
最大の懸念「為替リスク」を数字で考える
米国債でよく言われるのが「為替が怖い(円高リスク)」という点です。
たとえば、
• 購入時:1ドル=150円
• 将来:1ドル=100円
これほど極端に円高に振れた場合、元本は約33%目減りします。
ですが、以下の要素を考慮すると、見え方が変わります。
1. 利息の積み上げ: 年4%の利息を10年受け取れば、元本の40%相当。為替のマイナスを相殺できる計算になります。
2. 時間の分散: 為替は波です。償還(満期)の時に円高でも、外貨のまま持ち続けて円安を待つという選択肢もあります。
「時間を味方につける」という設計であれば、致命傷になるケースは限定的だと感じました。
※もちろん、短期売買には全く向きません。
短期で為替が円高に大きく触れ、お金が必要になった場合を想定すると、リスクは大きくなります。
途中売却のリスクについては、妻のへそくりは我が家の家計として、最終手段ですので、長期保有が前提となっています。
私の実感:債券は意外と「難しい」
ここは強調しておきたいポイントです。
実際に買ってみて驚いたのは、債券はインデックス投資ほど「簡単」ではないということです。
• スプレッド(売買差)が大きい: 買う時と売る時の価格差が意外とあります。
• 手数料が分かりにくい: 信託報酬のようにパッと数字で見えにくいコストが隠れています。
• 仕組みが直感的でない: 金利が上がると債券価格が下がる、という相関関係も最初は戸惑います。
正直、「え、こんなに手数料的な部分で取られるの?」と感じる場面もありました。
もしあなたが購入を検討するなら、十分に仕組みを勉強した上で判断することをおすすめします。
債券は「難しい」(つづき)
また、米国債のような債券は、「利回りがあらかじめ決まっているので安心」と説明されることが多いです。
ただし、もう一つ意識しておきたいのがインフレリスクです。
インフレとは、物価が継続的に上がっていく状態のことを指します。
たとえ利回りが年4%あったとしても、同じ期間に物価がそれ以上に上昇すると、お金の実質的な価値は目減りしてしまいます。
つまり、受け取る金額は増えていても、買えるモノが減ってしまう可能性があるということです。
このように債券は、「価格変動」や「為替」だけでなく、インフレとの関係も考える必要があります。
利率だけを見て判断しにくい点が、債券投資が少し難しく感じられる理由の一つだと思います。
資産形成期と「考えなくていい投資」
いわゆる「資産形成期(バリバリとお金を貯める時期)」であれば、
1. 本業で収入を増やす
2. 節約で支出を減らす
3. インデックス投資を淡々と積み立てる
これで十分です。私自身、今もこの考えに強く共感しています。
ただ一方で、
• ある程度の資産規模が見えてきた
• 絶対に守るべきお金が増えた
• 「家族(他人)のお金」を預かり、運用する立場になった
こうなると、インデックス一本槍とはまた違う、「守りの戦略」が必要になるのではないかと思います。
まとめ:米国債は一般向きか?
最後に、実際に買ってみた私の結論です。
• 全員におすすめか? → いいえ。
• 自分で勉強し、考えるのが好きな人向きか? → はい。
• インデックス投資の「次の一手」として? → 十分あり。
やはり、多くの人には「日本国債(変動10年)」の方が手間もリスクも少なく、一般向きなのだと再確認しました。
それでも、
• 資産分散に興味がある
• 投資理論を自分のお金で体感したい
という人には、米国債は検討する価値がある「面白い体験」になります。
我が家はまだ資産形成期。
それでも、今回米国債という「債券のリアル」に触れられたことは、将来大きな資産を守るための「価値ある授業料」だったと思っています。
あとがき:後悔なく自分で考える
実は今回、米国債を買うときに共通して感じたのは、「専門家に任せきりにすると、判断の主導権を失う」ということでした。
この感覚、実は自宅の雨漏り対応や住宅購入時のときととても似ています。
専門家の言う通りに進めれば楽ですが、一度立ち止まって比較・整理したことで、結果的に納得できる選択ができました。


