はじめに:建物は「20年で価値ゼロ」という言葉の裏側
こんにちは、ばっきんパパです。
不動産の世界ではよく、「木造住宅は築20年を超えると資産価値がゼロになる」と言われます。
これは税法上の耐用年数22年(減価償却)に基づいた、いわば機械的なルールです。
しかし、実際に築30年の中古一戸建てを購入し、そこに家族で暮らしている私からすると、この言葉には語られていない「続き」があると感じています。
- 「価値ゼロ」だからこそ、無理のない予算で家が買える
- 「価値ゼロ」でも、暮らしの豊かさはゼロではない
- 「価値ゼロ」の物件こそ、熾烈な争奪戦が起きている
本記事では、私が実際に直面した「築古物件売買のリアル」をお伝えします。
逆に「売主側」から見た、築古一戸建ての切実な現実
「長年、大切に住んできた我が家なのに、査定を出したらこんな価格にしかならないの?」
ご自身の親御さんや、友人の親世代からこうした言葉を聞いたことはありませんか?
不動産市場において、築20年を超えた建物は、売主がどれほど愛着を持っていても「おまけ」のような扱いを受けるのが現実です。
実は、売主さんも大きな不安を抱えています。
「古い家だから、売った後に何か不具合が見つかったらどうしよう」
「細かいことを言う買い主に捕まって、トラブルになったら嫌だな」
売り主さんは、買主を選んでいたと思います。
実は私は、ホームインスペクションも売主さんに遠慮してしまいました。
※今の私なら、客観的な判断材料としてホームインスペクション(住宅診断)を依頼し、やった上で判断するという選択をすると思います。
▶ ホームインスペクションをやるべき理由と体験談はこちら

決断の瞬間:築古の優良物件は「一点もの」の争奪戦
築20年を超え、価格が「土地値」まで下がった優良物件は、驚くほど早く売れてしまいます。
私が今の家を見学した際、不動産会社の担当者さんから言われたのは「他にも検討している方がいるので、今日決めていただきたい」という言葉でした。
よくある営業トークに聞こえますが、これは紛れもない事実であると感じました。
実際に、不動産の契約は震える思いでした。
契約当日、不動産会社に向かう車の中で、私は内心迷いながら隣に座る妻に思わず話しかけたところ、
「中途半端な気持ちなら、不動産屋さんに行かないで」
「あなたの判断についていく。でも、本当に買いたいと思ったら向かって」
その言葉を聞き、私は自分の判断力を信じ、腹を決めました。
妻を改めて、見直した出来事でした。

「売主さんに選ばれる買い主」になるために
中古戸建ての取引は、単なる「お金と物の交換」ではありません。
特に築古物件の場合、売主さんは「この人に自分の家を譲っていいか」を、意外なほど見ています。
私たちは幸運にも、非常に温かい売主さんと出会うことができました。
私もまた、信義則に基づいて、できるだけ正直に、誠実に取り引きをしようと心がけていました。
妻はいまでも、「あの売主さんに私たちを選んでもらえたことが嬉しかった。」と言っています。
また、不動産会社が怖いと思う人も多いと思いますが、私は、時には少し失礼かもしれない質問も含めて、ざっくばらんに担当者さんにぶつけました。
はぐらかさず、しっかり答えてくれる担当者さんに出会えたことも、一生に一度の買い物を成功させる大きな要因になったと考えています。

私が考える「築古戸建てのリセールバリュー」
私が購入した物件は、10年住んでも、おそらく買った時と同じような「土地値」で売れると考えています。
- 建物価値がすでにゼロである(これ以上下がらない)
- 土地に魅力があるエリアを選んだ
- 住宅ローンの金利と維持コストをコントロールしている
この場合の、いわゆる「リセールバリュー」とは、値上がりを期待することではなく、「いざという時に、土地値で確実に現金化できること」だと私は考えています。
▶ リベ大視点で考えた「持ち家×中古戸建て」の合理的な結論について

▶ ひろゆき氏の意見を参考に考えた「家は買うな」の結論について

▶築20年の中古戸建てでも、メンテナンス次第であと30年以上十分住める可能性があります。詳しくはこちら

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まとめ:暮らしの価値は、数字では測れない
最後にもう一度。
築20年で、帳簿上の価値や市場価格としての建物代はゼロになるかもしれません。
しかし、そこでの暮らしの価値は決してゼロにはなりません。
築30年の我が家は、駆け回る子どもたちの笑い声に溢れ、子育て世帯にとって十分すぎるほどの豊かさを提供してくれています。
「新築でなければダメ」という思い込みを外し、中古住宅特有の「価格と価値のギャップ」を正しく理解すれば、無理のない、納得のいくマイホーム購入は実現できます。
本当の意味で数字を理解し、皆さんが「今の暮らし」と「これからの家族の展望」を見据えた選択ができることを、心から願っています。

終わりに:築20年、30年以上中古戸建て、私の本音
この記事は、実際に築30年の中古戸建てを購入し、現在進行形で維持費や保険料という「現実」と向き合っている私が、本音で記しています。
実は最近、火災保険の見直しを行った際に、ある大きな衝撃を受けました。
不動産業界では「建物価値はゼロ」と言われる築古物件ですが、火災保険の世界では、同じ家を建て直すための費用として2,000万円以上の価値(再調達価額)を要求され、高い保険料を支払わなければならないという矛盾した現実に直面したのです。
「市場価値はゼロなのに、守るためのコストは新築並み」という、中古戸建てオーナーが避けては通れない実録については、こちらの記事で詳しく解説しています。

また、資産価値がゼロと言われる建物をどうメンテナンスし、いかにして家族が満足できる「住み心地」を維持しているのか。
そして、具体的にどれくらいの維持費がかかっているのかについてもまとめています。


家選びの基準は、決して「築年数」だけではありません。
この記事が、皆さんの納得のいくマイホーム選びの助けになれば幸いです。



